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今回は腎性貧血の診断、どのような病態かを解説します。 |
慢腎臓病の診断(CKDの診断) |
その診断と重症度分類について下記に示しました。 |
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腎性貧血の診断 |
腎性貧血は慢性的な腎障害の進展とともに徐々に進行するため、最初のうちは患者さん自身から症状を訴えることは多くありません。そのため貧血の診断にはHb値が有用です。健常人のHb値は年齢、性別によって異なるため、それも考慮して、以下の基準で診断を行うのが妥当です。赤血球数やHbが低下すること貧血といい、貧血は様々な原因で起こります。よって腎性貧血の診断は除外診断となります。従って以下のフローチャートを参考に、腎性貧血を絞り込むことが重要です。血中のエリスロポエチン濃度は参考ですが、診断の助けになることもあります。貧血の診断に重要な3つのポイントと腎性貧血の診断における血液疾患の鑑別の流れについて下記に示しました。 |
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貧血の要因 |
貧血は赤血球産生量の減少、赤血球の過剰崩壊、赤血球の体外喪失により起こります。ヘム合成障害を主な要因とする鉄欠乏性貧血やエリスロポエチンの産生障害を要因とする腎性貧血などがあります。貧血の原因に対する適切な対応が必要です。 |
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鉄代謝と鉄代謝の指標 |
鉄欠乏には貯蔵鉄の欠乏により血清鉄が低値を示す絶対的鉄欠乏と、貯蔵鉄が高値にかかわらず鉄利用障害により血清鉄が低値を示す機能的鉄欠乏があります。鉄代謝の指標、へプシジンの鉄代謝への役割を下記に示しました。 |
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慢性腎疾患(CKD)の貧血 |
CKDによる貧血は腎臓においてHbの低下に見合った十分量のEPOが産生されないことにより腎性貧血が起こりますCKDの患者では病態の進行に伴い鉄の偏在が生じ易くなり、投与された鉄のすべてが造血に利用されず、様々な組織に蓄積する鉄の利用障害をきたしていると考えられます。CKDに伴う貧血に対し鉄補充を考える際、まず対象となる鉄欠乏を絶対的鉄欠乏と機能的鉄欠乏に分けて考える必要があり、患者の病態や鉄利用状況を把握した上で慎重に行うことが重要です。 |
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腎性貧血の治療の目的と意義 |
腎性貧血はCKDにおける代表的な合併症の一つです。特徴は腎機能障害の進展に伴って頻度や程度が高度になります。貧血に伴うQOLの低下ばかりではなく、慢性虚血による腎機能低下あるいは心機能の悪化など、臓器障害がさらに進展します。心不全、CKD、貧血の病態は密接に関連しており、CRAS(cardio-renal-anemia syndrome)の概念として提唱されています。これらの疾患の疾患の進行は相互に症状を増悪させ、悪循環をきたすと考えられます。 |
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