糖尿病の治療の目標 |
原点にもどって糖尿病の治療の目標の復習です。 |
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Ⅱ型糖尿病の自然経過と膵ベ―タ―細胞 |
Ⅱ型糖尿病の前段階にはインスリンの過剰分泌の時期があります。これは肥満、内臓脂肪の蓄積、運動不足等で肝臓や筋肉にインスリンの抵抗性が生じると,糖の取り込みが減少して血糖が上昇しやすくなり、膵臓がさらに多くのインスリンを分泌して代償しようするためです。インスリン分泌がインスリン抵抗性を代償できなくなると、食後の高血糖(耐糖能障害)や 空腹時の血糖値の上昇(糖尿病の顕在化)すると考えられます。初期の過剰なインスリン分泌により、膵ベ―タ―細胞が疲弊し、さらに糖毒性による直接的な膵ベ―タ―細胞の障害が加わることでインスリン分泌不全が生じることになります。最近の研究によると、糖尿病の顕在化する前から、膵ベ―タ細胞機能の低下が始まっているとわかってきました。実際、糖尿病と診断された時点ですでに膵ベ―タ―細胞の機能は50%以上低下していると考えられます。さらにインスリン不足が慢性化すると、空腹時における肝臓からの糖放出が増加して空腹時高血糖が顕著になってきます。以上のことから糖尿病発症の早期の段階から食事、運動療法もふまえた血糖のコントロ-ルをしっかりと行うことは膵ベ―タ―細胞を疲弊から守ることが重要です。 |
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最近新たに登場したⅡ型糖尿病の治療薬について |
昨年5月より相次いで新しい作用機序のSGLT2阻害薬が発売され、ようやく5月より徐々に長期処方が解禁されます。この薬のアウトラインは以前このホ-ムぺ-ジで解説しているので参照してください。今回はこの1年でわかったこの薬の効果的な使い方、適応患者、投与時注意すべき事 投与するときのチェックリスト等に関して手持ちの資料より解説します。現在日本人における糖尿病の病態は遺伝的素因、食生活の欧米化、過食飽食、運動不足、等環境要因に起因する肥満を伴うⅡ型糖尿病が増加しています。BMI25以上の内臓脂肪型肥満では様々なサイトカインやホルモン が分泌され、耐糖能異常、脂質代謝異常、高血圧、などを引き起こしやすく動脈硬化の予防のため、早期からの肥満の是正が重要です。また体重減少で血糖の改善も期待できます。この新薬が出るまではインスリン分泌能が維持されている肥満合併糖尿病患者では糖毒性の強い著明な高血糖状態時にインスリンを使用することがあっても、それ以外のときはビグアナイド、DPP4系薬剤等が中心でしたが、新しい作用機序のSGLT2阻害薬が使用できるようになり、選択肢が広がりました。しかしあくまで療養の根本は食事、運動療法にあること忘れないようにしなければなりません。体重減量は非常にむつかしいことですが、私のところでは最初は、まず5%の減量 を目標に行動の変容が得られるように,減量の熟考、準備、行動とモチべ-ション、意欲をもてるように指導を心がけています。さらにうまくいく場合は次の5%の体重減少をめざします。なかにはリバウンドして元にもどったりもっと体重が増加する人もいますが、あきらめないことです。SGLT2阻害薬の投与は目に見える体重減少により患者治療意欲を向上させることができます。治療意欲が高まることでさらなる血糖値の改善が期待できます。この薬の投薬にて改善しない場合食事、運動がうまくいっていないことも考えられ、指導・治療の強化(栄養指導、教育入院、GLP-1製剤導入)を考慮します。 |
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SGLT-2阻害薬想定されるリスク |
この系統の薬に共通するリスクの確認です。 |
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SGLT-2阻害薬の一覧を示しました。 |
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2型糖尿病の新薬(選択的SGLT2阻害薬)について |