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日本高血圧学会より2009の高血圧治療ガイドラインが発表されました。要点に関して説明をします。血圧が高いといわれた患者さんに指摘したいことはまず血圧の治療意義です。高血圧は心血管病による死亡リスクを高めます。下記に示すように高血圧(収縮期140mmhg以上)の患者さんは至適血圧(120未満)の方と比較して心血管病による死亡リスクが3倍以上になり、血圧の上昇にしたがってそのリスクは高くなります。高血圧の治療によってその予後を改善することが可能です。また高血圧以外にもさまざまな危険因子や疾患により心血管病を起こすリスクが高くなります。したがって高血圧以外の危険因子にも注目して危険因子の改善・治療も同時に必要です。合併する危険因子や臓器障害に応じて、血圧の治療目標の設定も細かくしてゆこうということで今回の治療ガイドラインでは心血管のリスクを考慮した高血圧治療の流れとなっています。話をわかりやすくするためにグラフを示しました。 |
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高血圧以外にもさまざまな危険因子や疾患により心血管病を起こすリスクが高くなります。 |
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初診時の高血圧治療のポイントと心血管病を考慮した高血圧治療の流れ |
このガイドラインでは初診時より患者さんのリスクの程度を考慮して治療をはじめるように勧めています。また血圧の治療の目標値も診察室血圧と家庭血圧に分けて年齢・疾患ごとに細かく設定しています。また家庭血圧の定義に関しても今回はじめて詳しく書かれています。 |
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病態と降圧薬の選択・糖尿病患者の高血圧治療
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今回のガイドラインでは患者さんの病態に応じて、第一選択で投薬すべき薬もこと細かく、書かれています。特に注目すべきは糖尿病患者の高血圧治療では、今までCa拮抗剤も治療の第一選択であったのが第一選択よりはずされて、効果が不十分なときの追加薬となり、糖尿病患者の高血圧の第一選択薬はレニン-アルドステロンを抑制する必要性の認識が確立してきたためか、ARB・ACEとなりました。また治療開始時の血圧は130/80mmHgとそれほど高くないと思われる程度での治療を推奨しています。これは糖尿病の細小血管障害(糖尿病性腎症)・大血管障害(動脈硬化症)を管理するうえで合併症の進展の抑制に高血圧の治療は重要性が高く薬剤もレニン-アルドステロンの抑制するARB・ACEの有用性のエビデンスが多くあるためと考えられます。また高血圧の治療は24時間通して適切な維持する必要があることも強調されています。 |
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高血圧治療薬の併用について |
今回の高血圧治療ガイドライン2009では高血圧の降圧治療目標達成をするためには、多くの場合2,3剤の併用が必要となることが多くなることから、その際少量の利尿薬を積極的に併用すべきとしています。また2剤の併用として下記の薬の使用(実線部分)を推奨しています。血圧の薬は合剤により処方を単純化することはメリットが多く、血圧コントロ-ルに有用であるとしています。 |
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