大阪府藤井寺市 池田医院 内科・胃腸科・循環器科・小児科・皮膚科・糖尿病専門外来・胃がん、大腸がん検診・往診・在宅医療

医療法人 真貴会 池田医院本文へジャンプ
池田医院の糖尿病について
2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム
日本糖尿病学会では2022に我が国における糖尿病診療に関する最善の診療を行う上で活用するためのガイドライン特に日本人.アジア人の糖尿病の病態に合った薬物選択を行えること、本邦における処方実態を反映したものであること、考慮すべき併存疾患がある場合は付加的な利益を期待した薬剤選択を可能とすること、をコンセプトとして、2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズムが作成されました。
インスリンの適応の評価と目標HbA1cの決定
2型糖尿病のの薬物治療はまずインスリンの絶対適応及び相対的適応があるかどうかを判断することです。次に目標HbA1cを熊本宣言2013及び高齢者糖尿病の血糖コントロール目標HbA1c値をもとに決定します。合併症予防の観点からは、HbA1cは7%未満が妥当ですが、年齢や併存疾患等を考慮して目標を設定します。
Step1 病態に応じた薬剤の選択
2型糖尿病の病態であるインスリン分泌不全及びインスリン抵抗性をある程度判別できる臨床指標として肥満の有無が採用されています。肥満度とインスリン抵抗性には正相関があり、肥満度が高い症例ではインスリンの抵抗性が2型糖尿病の病態に寄与度が高いことを考慮して薬剤の選択をします。ただし日本人を含めたアジア人は欧米人と比較して、低いBMIでも内臓脂肪の蓄積、インスリンの抵抗性を認める症例も多いと考えられることから、BMIに加えて腹囲測定を同時に評価することが正確とされています。
Step2 安全性への配慮
糖尿病治療に求められる最重要事項は安全に血糖を下げることです。各糖尿病治療薬の特徴や注意点を考慮し、患者背景に合わせて薬剤を選択することが重要です。特に最近よく処方されるSGLT-2阻害薬に対する正常血糖ケトアシド-シスに対する注意の必要性を示しました。   
Step3 付加的利益を考慮すべき併存疾患
SGLT-2やGLP-1受容体作動薬のエビデンスが多数報告され、付加的利益を考慮すべき併存疾患として心血管疾患、心不全、慢性腎臓病が取り上げられています。SGLT-2阻害薬やGLP-1受容体作動薬のエビデンスのほとんどが海外からのものであることには注意を払う必要があります。また一部の心血管イベントに対する抑制効果はHbA1cの低下により説明できるという報告もあり今後新たなメカニズムの解明が期待されます。
 
Step4 考慮すべき患者背景
本アルゴリズムでは、考慮すべき患者背景として、服薬遵守率と医療費が挙げられています。糖尿病患者における服薬遵守率は血糖のマネジメントの影響のみならず、心血管疾患、死亡、入院のリスクとも関連しており、糖尿病診療において非常に重要です。また高齢者の増加とともに医療費の増加する一途をたどっています。特に糖尿病治療にかかる医療費の割合が高いことが示されています。又高額な医療費は患者の服薬遵守率を低下させるため、糖尿病治療薬の治療効果の減弱につながる危険性があります。医療費については各種糖尿病治療薬の薬価に加えて、それ以外の医療費も含めた総医療費をもとに患者負担を考慮すべきです。
定期的な治療効果の判定治療調整の必要性の判断
目標HbA1cを達成することができなかった場合の治療強化の遅れを避けるため、薬物療法開始後の3か月ごとに治療法の再評価と修正を検討することが望ましいです。糖尿病の病態や腎症等の合併症に沿った食事療法、運動療法、生活習慣の改善を促すとともに、アルゴリズムのstepに立ち返り、薬剤の追加、変更などを検討すべきです。
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